1980年中学3年の時、仲の良かった友達たちと高校生になったらバンドを組む約束をした。インターネットもフジロックもJポップという呼び名も無くて、ロックの市民権は現在以上に無い時代…唯一、“ジョン・レノン”が射殺されたニュースが朝刊のトップになっただけ…、音楽に興味を持ち始めた頃だった。楽器の割振りをして、俺は弦が少なくて、楽そうだという理由でベースを選んだ。その時はベースの役割なんて知らず、音が低音なんてことさえも知らなかったけど、初めてアンプで音を出した時は本当に感動した。約束のバンドの方は結局、俺とドラマー以外演らなかったけど…。
俺は楽器を持ったその日からオリジナル曲を作って、ドラムと合わせたりした。タイトルは「ゲロが止まらない」。慣れない酒を飲んで、大変なことになってしまった時の気分で描いた。今考えるとまるでパンクだ。コードやリズムを覚えるたびに曲を描いた。テクノ、へヴィーメタル、パンク、ニューウエイブ、プログレ、商業ロック、ポップス、ロックンロール…音楽なら何でも聴いた(今でも)。コピーは上手くなかったけど、色々な音楽のエッセンスはなんとなく取り入れられてったと思う。
その8年後に俺の曲を演奏してくれるバンド“チカラバンド”が結成される。ちょうど“アピア”に出始め、ソロでも活動し始めた頃だ。“下北沢屋根裏”、“吉祥寺曼荼羅”、“新宿ロフト”にも出してもらえた。しかし、2年くらい活動して、メンバーが一人抜け、二人抜け、いつの間にか消滅してしまう。
その後、組んだバンドは“バンド・アンド・ザ・ボス”、“KNC”、“浦邉力 with KN&T”、“浦邉力 with A Little Help My Friends”、“浦邉力 with 佐藤信昭”、“36時間”等々…。全部違うサウンドになったし、良い奴等だった。
弾き語りが主体なアピアで言うのはなんだが、アコギを掻き鳴らしたり、打ち込みとやったりするのも楽しいが、バンドでスタジオに入ったことがある人はバンドが最高だと思う人が多いと思う。これは客席で聴いてるだけじゃ分からない。まるで音楽が立体化して生き物のように存在して、自分もその一部になる。そんな体感。しかもそれぞれが自分の思い付かなかったアイディアを出してくれるとたまらない。そんなのが好きで一人で演っていても、いつでも誰とでも、遊べるようにシンプルな曲を描けるよう心掛けてきた。あとは打ち上げの楽しみが倍増する。マニアックなロック話や、エロ話も出来る(笑)。
で久々にそんな感覚を求めて、去年、2007年の夏に友人“癇癪玉”の後ろでカホンを叩いていた“土やとしお”に声をかけた。パーカッションというより、ハードロックドラマーな感じがした。それがベースレス・ユニット“ORA”の始まりだ。前にも何度かベースレス・バンドを演ったことがあるが、その形態の面白さや、可能性が、“The White Stripes”や“Touch-Me”を観て感じられる今、さらに面白いことが出来そうだ。“土やとしお”の野獣ドラムで、曲がさらに映像的になりそうだ。俺のコアでアンダーグラウンド的な部分が出せるかもしれない。
それから、11月には以前“チカラバンド”でドラムを叩いていた“伊藤孝悦”から17年振りにまた演らないかとメールが来た。ちょうど我が事務所の会計“kayoji”がベースを始めたばかりだったので、連れて行き、先ずは遊んでみた。意外と良い感じになる。“ORA”があるので、もう一バンド演るのはどうかとも思ったが、そのセッションで逆に各々のサウンド、コンセプトの差別化が明確に出来た。スリーピース・バンド“The Good Generation”の誕生だ。セッションを重ねるたびにグルーヴが出て来る。リズムのスピードは初めは平均年齢、ブランク、あと初心者もいるので、ゆっくりだったが、回を重ねるたびに、だんだん早くなり、今じゃ若手パンクより早い、モッシュしたくなるスピードに迫ってる。リズム、アレンジも色々チャレンジし、俺のポップな面が出て来る。
ソロの方も去年はピアノ、ギターシンセサイザーも使ってみたり、選択肢の幅がまた広がった。‘エレクトロ・カラオケ’では友人“DJ松本”にもらったアイディアも使った。アピアに出演したての頃も色々演っていたが、その頃上手く出来なかったことも、20年近く経った今なら出来てる感じだ。まだまだチャレンジしたいことは増えてく。
これからは、2バンドとソロで全部違う姿を観せられそうだ。ちなみに“ORA”、“The Good Generation”とも同じ曲は演ってない。
さて、これからも新曲バンバン創んないと…。

“ORA”
左より、ドラム:土やとしお、アコースティック・ギター&ヴォーカル:浦邉力

“The Good Generation”
左より、ドラム&コーラス:伊藤孝悦、エレクトリック・ギター&ヴォーカル:浦邉力、ベース&シャウト:kayoji

“浦邉力ソロ”
アコースティック・ギター&エレクトリック・ギター&ピアノ&ヴォーカル
俺 Vs 俺
サプライズ・サプライズ