ロックが世界を変える日は昨日より近づいてる気がする
映画「GLASTONBURY」 監督:ジュリアン・テンプル


2007年6月30日(土)、代々木公園にいた。
若者に誘われて、渋谷『Q-AXシネマ』にこの日から公開のドキュメント映画「グラストンベリー」をみんなで観に行こうというのだ。30年以上続いてるグラストンベリーフェスティバルのドキュメントだ。
レイトショーのみなので、その前に代々木公園に集まり、野外で飲むことに…。
集まったのは我が『ソウルステーションレコード』の経理の“kayoji”さんがミクシィで知り合った子たちで、全員20代。UKのマンチェスターが好きな男の子、最近ロックにはまってUKの新人バンドのライブに行きまくるが両親が厳しく外泊出来ない女の子、男前なロック大好きでアートな女の子、“ザ・フー”が大好きなデザイナー系女の子、郷里の鹿児島で発明された‘流しソーメン・マシン’について熱く語る映像業界の男の子だった。
彼らとはここんとこしょっちゅうあってる。フジロックやサマーソニックに行く約束もした。

そういえば、1990年のことだったと思う。俺は『渋谷アピア』での土日の昼間のライブを終え、ギターケースをぶら下げ、ファイア通りを抜け、国立代々木競技場の方に歩いていた。今でもそうだけど、ちょっとした距離なら混んでる電車に乗るより、歩くのが好きだ。
この当時はまだ週末になると表参道から代々木公園交番前の間の通りは歩行者天国で、沢山のバンドやダンサーでごった返していた。いわゆるバンドブームやホコ天ブームの時代だ。けど、ちょうどその時俺が行った時間帯は17時の交通規制が解除されていた後で、もうバンドも機材を片付けていた。
日も暮れ始めていて、第一体育館の前にある歩道橋に上がり、公園の原宿門の入り口を見ると、まるでお祭りみたいに屋台の灯が並んでいた。なんだかとてもエキゾチックな感じだった。行ってみると、外人ばかりで、当時はそこまで多くなかったアジアンな屋台が並び、肉を焼いてたり、カセットテープを売ってたりしていて、まるで日本じゃなかった。
イラン人の集会だと、教師をやっているという外人の一人が、日本語で教えてくれた。遠い異国の地で、週末になるとここで仲間と集会を開き、故郷を懐かしんだり、情報交換したりするというのだ。
「ハッ○○シあるよ」とか言って歩いてる男もいたり、偽造テレカを売ってるのもいて、怖い雰囲気もあるが、彼らは日本人の俺にも優しく、シシカバブとかなんかの食い物をタダでくれたりした。美味かったし、なんかその雰囲気が楽しかった。
その日からそう月日が経たないうちに、そのイラン人たちは日本の警察や機動隊に公園から締め出されてしまったのを、ニュースや写真週刊誌で見た。哀しかった。権力に腹が立った。

…そんなことをちょっと思い出した。
それにしても若い子たちが楽しそうにしてるのを見るだけでもうれしい。こんなピースフルな時間は一生に何度あっても良い。つい5日前の25日に42歳になったが、未だに青春みたいだ(笑)。そして気分はどんどんフェスモードに…。

さて良い時間になり、いよいよ映画館に…。
場所は宇田川町、ラブホ街、『東急Bunkamura』やライブハウス『ON AIR』などがある近く。
映画館の前で待ち合わせていた昔からの友人、音楽評論家の“Shimazo”は向かいの立ち飲み屋にいた。彼も今や40歳だ。2001年から毎年、フジロックには一緒に行っている。行く度、ずっとロックが好きで良かったと思う。
そして総勢8人の老若男女で映画館に乗り込んで行った。

ポスター

映画「GLASTONBURY」公式ホームページ http://www.glastonbury.jp/

上映時間は2時間半近く。
ところでグラストンベリー・フェスティバルとは、イギリスの片田舎で若い農場主“マイケル・イーヴィス”が私有地に数人のミュージシャンを招き、個人的に始めたイベントからスタートし、30年経った今では世界中から毎年20万人以上が詰め掛け、チケットは発売直後に秒速で完売してしまうという世界最大の音楽フェスティバルのこと。
初めて開催された1970年代から現在までの映像がちりばめられている。グラストンベリーの土地にまつわる歴史や伝説も…。
フラワームーブメントの頃の素朴なステージ、現代の巨大化していくステージも、サーカス、花火…大雨でテントが水没してくところ、泥まみれでみんながはしゃいでいるところなどなど…。
規模は違えどもフジロックがかなり影響を受けてるのが分かる。
ライブ映像のあるアーティストも“ヴェルヴェット・アンダー・グラウンド”“ビョーク”“レイ・デイビス”“レディオ・ヘッド”“パルプ”“リッチー・ヘブンス”“ジョー・ストラマー”“ブラー”“デヴィッド・ボウイ”“ベイビー・シャンブルズ”など新旧様々。
歌詞の日本語訳字幕が出て、されにそれに合った映像が流れる。グラストンベリーフェスティバルの辿ってきた歴史が分かる。
しかも音が凄い。THXシステムだったかな…まるで生で観てるような臨場感。重低音の風圧が身体に当たる。
これだけのものを30年以上続けて来たのは凄い…凄過ぎだ。
最後はちょっとうるっとしてしまった。
みんな観終わった後はやられてしまった感じだった。俺も放心状態だった。

フェスティバルの魅力が分かる。お薦め過ぎる映画です。
今後、全国順次ロードショー予定らしいので、是非、劇場で体感して下さい(^o^)V。

追伸
両親の厳しい女の子は、これを観た後、フェスへの気持ちが募ってしまい、なんと両親の説得に成功し、“フジロック”に俺らと一緒に行くことが出来るようになった。生まれて初めての外泊になるようです。



この文章は渋谷アピア発行のacoustic magajine「あたふた」2007.8月 Vol.125号に掲載されたものです。

俺 Vs 俺
サプライズ・サプライズ
I am ロック製造機(^o^)V!
「フジロックにお帰り!」   「ただいま!」
ロックンロール・トゥナイト(2005年フジロック観戦記)
“ハチコー”前で待ち合わせなんて何年ぶりだろう?