群集は洪水のように
1.
男は毎朝七時に目を覚まし自転車で五分の駅まで…
定期券で改札を通り過ぎいつもの電車に…
無理矢理詰め込まれ目に入るのは新聞の見出しだけ…
終点でドアが開き群集は洪水のように…
絶望してるわけじゃない
白昼に暗闇が出くわし
流れに乗るのにためらっている
うんざりしている
地下鉄の入り口で乗り換えるのを止め…
手持ちの金で帰るだけの切符で遠くへ行った…
2.
ウエディングドレスから水色のドレスに着替えさせられ…
OL生活を辞め彼女は新郎の横に…
退屈な祝辞を言わせるためマイクは叔父に向けられ…
社交辞令の拍手を群集は洪水のように…
絶望してるわけじゃない
白昼に暗闇が出くわし
流れに乗るのにためらっている
うんざりしている
空港のゲートで南の島への旅行から逃げ出し…
キャンセルされた違う便で遠くへ行った…
どんなに緻密に計算しても割り切れないことがある
生活に追われ見失っていたものがある日ふと顔を出す
ここから飛び出たところで周りにあるのは深い暗闇だけ
でも決して始まらない映画の主人公で終わりたくない
3.
辛い一日が終わり缶ビールを買い込み自分の部屋へ…
溜め息を一つつけば部屋の色が変わるかのように…
鏡の中の自分を睨みそのうちよって考えられなくなり寝床へ…
また明日交差点で群集は洪水のように…